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SOL エマージェンシーブランケットの製品画像
今回は多くのアウトドア愛好者に愛用されているSOL Emergency Blanket(エマージェンシーブランケット)について、実際に2年以上使い込んだ経験を基に詳しくレビューしていきます。
登山やキャンプで活動していると、予期せぬ天候の変化や怪我などの緊急事態に遭遇することがあります。そんな時、命を守る可能性を大きく高めてくれるのが「エマージェンシーブランケット」です。小さく軽いこのアイテムは、バックパックの隅に忍ばせておくだけで大きな安心感をもたらしてくれます。
SOL Emergency Blanketとは
SOL(Survive Outdoors Longer)は、アメリカの老舗アウトドアブランドで、特にサバイバル用品に定評があります。日本ではスター商事株式会社が正規輸入販売を行っています。
エマージェンシーブランケットは、名前の通り「緊急時のための毛布」ですが、単なる保温シートとは一線を画します。このブランケットの最大の特徴は、体熱の90%を反射する特殊なアルミ蒸着素材を使用している点です。一般的なサバイバルシートよりも丈夫で、破れにくく設計されています。
基本情報
- 重量:約65g〜210g(モデルによる)
- サイズ:約142×213cm(一人用)
- 素材:ポリエチレン(アルミ蒸着加工)
- カラー:オレンジ/シルバー(表裏)
- 特徴:体熱の90%を反射、防水性、防風性
SOLブランケットの種類と選び方
SOLのブランケット製品には複数のバリエーションがあります。用途や状況に応じて最適なモデルを選ぶことが重要です。
SOLブランケットシリーズの比較
1. エマージェンシーブランケット1人用
最も基本的なモデルで、サイズは約142×213cm、重量約65g。ポリエチレン素材にアルミ蒸着加工を施しており、体熱の最大90%を反射して体温の低下を防ぎます。生地がしなやかで破けにくいため、使い捨てではなく繰り返し使うことが可能です。コスパが良く、初めての方にもおすすめです。
2. エマージェンシーブランケットXL
「エマージェンシーブランケット1人用」を一回り大きくしたモデルで、二人でのビバークや大柄な方に適しています。サイズは約152×244cm、重量は約91g。基本的な作りは1人用と同じです。
3. ヘビーデューティ エマージェンシーブランケット
通常のエマージェンシーブランケットの2.5倍の厚みがあり、強度を大幅に向上させたモデルです。サイズはXLと同じ約152×244cmですが、重量は約223gと増加しています。頻繁に使用する方や、テントのグランドシートとしても使いたい方におすすめです。
ヘビーデューティ エマージェンシーブランケットの外観
4. オールシーズンブランケット
格子状に編んだ強度の高い繊維を、ポリエチレン素材でラミネートした最も丈夫なモデルです。サイズは約152×215cm、重量は約470gと重めですが、ほとんど破れる心配がありません。四隅にはグロメットが付いており、タープとしての使用も可能です。体熱の80%を反射します。
製品名 | サイズ | 重量 | 特徴 | おすすめな人 |
---|---|---|---|---|
エマージェンシーブランケット1人用 | 142×213cm | 約65g | 基本モデル、コスパ良 | 初心者、軽量化重視の方 |
エマージェンシーブランケットXL | 152×244cm | 約91g | 大きいサイズ | 大柄な方、2人での使用 |
ヘビーデューティ | 152×244cm | 約223g | 2.5倍の強度 | 頻繁に使う方、グランドシート兼用 |
オールシーズン | 152×215cm | 約470g | 最高強度、グロメット付 | タープ使用、長期使用 |
SOL Emergency Blanketの多様な使い方
SOL Emergency Blanketは単なる緊急用ブランケットとしてだけでなく、様々な用途に活用できる万能アイテムです。実際の使用経験から、特におすすめの使い方をご紹介します。
SOL Emergency Blanketの使用例
グランドシートとして
防水性のあるSOL Emergency Blanketは、テント下のグランドシートとして最適です。特にヘビーデューティモデルは耐久性が高いため、砂利の上や少し荒れた地面でも安心して使用できます。アルミ面を上にすることで、地面からの冷気を遮断し、テント内の保温効果を高めることもできます。
実際に2年間使用していますが、雨の日や雪の上でもしっかり防水機能を発揮してくれます。通常のピクニックシートと比較しても、反射熱の効果で格段に暖かさが違います。
ブランケットとして
本来の目的である緊急時のブランケットとして使う場合、身体に巻き付けて風をシャットアウトし、アルミ面を内側にして体熱を反射させることで体温の低下を防ぎます。ポリエチレン素材は軽量でシナヤカなため、体にフィットさせやすく、保温効果を最大限に発揮できます。
ブランケットとして使用するSOL Emergency Blanket
夏の山でも、標高が高いところや日が落ちると急激に冷え込むことがあります。そんなとき、このブランケットを常備していれば安心です。また、急な雨や雪で濡れた場合も、体の熱を保持して低体温症を防ぐのに役立ちます。
タープとして
エマージェンシーブランケットは工夫次第でタープとしても使えます。木の枝やトレッキングポールを利用して簡易シェルターを作ることができます。特に突然の雨や強い日差しから身を守りたいときに役立ちます。
オールシーズンブランケットは四隅にグロメット(穴)が付いているため、紐を通して簡単にタープセットアップが可能です。その他のモデルでも、グロメットを後付けしたり、石を包んで「結び目」を作ってロープで引っ張ったりする方法もあります。
レインスカートとして
緊急時、上半身はレインウェアを着て、このブランケットを腰に巻き付けてスカートのようにすることで、下半身を雨から守ることができます。やや音は気になりますが、急な雨に見舞われたときには非常に役立つテクニックです。
SOL Emergency Blanketの多様な使い方
その他の活用法
- シグナリング:明るいオレンジ色の面は遠くからでも視認性が高く、緊急時のシグナルとして有効です。
- ハンモックの下に敷く:ハンモックの下に敷くことで地面からの冷気を遮断し、睡眠時の体温維持を助けます。
- 調理スペースの下敷き:キャンプでの調理スペースの下に敷けば、濡れた地面から食材や調理器具を守れます。
- 休憩時のシート:トレッキング中の休憩時に敷けば、濡れた地面や冷たい岩の上でも快適に休むことができます。
- 応急処置時の敷物:怪我人の下に敷くことで、地面からの冷えを防ぎ、ショック症状を和らげる助けになります。
- 雪洞作り:雪山での緊急時、このブランケットを使って簡易的な雪洞を作る際の内張りに使用できます。
長期使用した耐久性レポート
SOL Emergency Blanketは基本的に緊急用として設計されていますが、実際に長期間使用するとどうなるのでしょうか?私は2年以上にわたり、主にグランドシートとして50回以上使い続けてきました。
通常のエマージェンシーブランケットは「使い捨て」というイメージがありますが、SOLのブランケットは想像以上に丈夫です。砂利の上や岩場といった過酷な環境で使用しても、2年使用後でも小さな穴が1ヶ所できた程度で、裏側のアルミ蒸着部分もほとんど剥がれていませんでした。
特にヘビーデューティモデルは、一般的なエマージェンシーブランケットと比べると格段に耐久性が高く、長期間の使用にも耐えられます。コスパの面でも非常に優れた製品といえるでしょう。
メリット
- 超軽量で携行性抜群(65g〜)
- 優れた保温性能(体熱の90%反射)
- 防水・防風性能が高い
- 多目的に使用可能
- 想像以上に耐久性がある
- コストパフォーマンスが良い
- 視認性の高いオレンジ色(救助時に有利)
デメリット
- 使用時に「ガサガサ」と音がする
- 風が強いと扱いづらい
- 通常モデルは何度も折り畳むと劣化する
- 長時間使用すると結露する場合がある
- タープとして使う場合は工夫が必要
他の緊急用ブランケットとの比較
市場には様々なメーカーから緊急用ブランケットが販売されていますが、SOLの製品は品質と機能性で一歩抜きん出ています。
一般的な使い捨てタイプのエマージェンシーブランケット(いわゆるサバイバルシート)と比較すると、SOLのブランケットは以下の点で優れています:
- 素材の質:一般的な製品よりも丈夫で破れにくい
- 使い心地:ガサガサ音が比較的少なく、柔軟性がある
- 再使用性:1回使って捨てるのではなく、繰り返し使用できる
- 反射効率:体熱の反射率が高く、保温性に優れる
- サイズバリエーション:用途に合わせて選べる複数のサイズ展開
また、タイベック素材のシートと比較すると、SOLのエマージェンシーブランケットは防水性と保温性で勝っています。タイベックは透湿性があるため、長時間の雨や雪では水が染み出してくる可能性がありますが、SOLブランケットは完全防水です。さらに、熱反射機能によってタイベックにはない保温効果が期待できます。
SOL Emergency Blanketと防災
SOL Emergency Blanketはアウトドア用品としてだけでなく、防災用品としても大変有用です。日本は地震や台風など自然災害が多い国であり、いつ避難生活を強いられるかわかりません。そんな時、このブランケットは以下のような場面で役立ちます:
- 避難所での保温用品として
- 車中泊時の断熱材として
- 雨風をしのぐ一時的なシェルターとして
- 怪我人を運ぶ際の担架代わりとして
- 水を運ぶための防水シートとして
特に軽量コンパクトなため、非常用持ち出し袋に入れておいても場所を取らず、いざという時に大きな安心感をもたらしてくれます。家族分を用意しておくことをおすすめします。
コスパと購入のおすすめ
SOL Emergency Blanketは、その高機能性と耐久性を考えると非常にコストパフォーマンスに優れています。一般的な使い捨てタイプのサバイバルシートと比べると若干高めですが、繰り返し使用できる点を考慮すれば十分に元が取れます。
私のおすすめは、初めて購入する方には「エマージェンシーブランケット1人用」、より頻繁に使用する予定の方や本格的なアウトドア愛好家には「ヘビーデューティ エマージェンシーブランケット」です。特にヘビーデューティモデルは、グランドシートとしても使える実用性の高さから、一石二鳥の装備といえるでしょう。
また、家族でのキャンプやトレッキングの際には、「エマージェンシーブランケットXL」も検討に値します。2人で使えるサイズ感は、緊急時に家族や仲間を守るために役立つでしょう。
まとめ:SOL Emergency Blanketは持つべき一品
SOL Emergency Blanketは、アウトドア活動時の安全装備として、また防災用品として持っておくべき必須アイテムです。軽量でコンパクトながら、いざというときに命を救う可能性を秘めています。
特に日本の山は天候変化が激しく、夏でも急な雨や気温低下に見舞われることがあります。そんな予期せぬ状況に備えて、このブランケットをバックパックに忍ばせておくことで、安全性が格段に向上します。
実際の使用経験からも、その耐久性と多用途性は想像以上のものがあり、「買って良かった」と心から言える製品です。最初は緊急用だけのつもりが、キャンプや登山の度に活躍してくれる、そんな心強い相棒になってくれるでしょう。
防災意識の高い日本人として、自分と大切な人の命を守るために、SOL Emergency Blanketを備えておくことを強くおすすめします。
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