サイボーグの肖像:思考プロセスから英語プロンプト完成まで

サイボーグのポートレート
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サイボーグの肖像:思考プロセスから英語プロンプト完成まで

AIによるイラスト生成は、私たちの創造性を拡張する魅力的なツールです。しかし、思い通りのイメージを生み出すには、AIとの対話、すなわちプロンプトエンジニアリングが欠かせません。

この記事では、一枚のAIイラスト、具体的にはこの記事のアイキャッチ画像にもなっている「サイボーグのポートレート」がどのようにして生まれたのか、その試行錯誤の過程を詳しくご紹介します。初期のシンプルなアイデアから、洗練された最終的な英語プロンプトに至るまでの思考プロセスを日本語で解説し、各段階での英語プロンプトも併記していきます。AIアート制作の奥深さと面白さをお伝えできれば幸いです。

初期アイデア:サイボーグの肖像

最初の出発点は、「人間と機械の特徴を併せ持つサイボーグのポートレートを描きたい」というシンプルなものでした。

  • 思考(日本語): まずは基本的なコンセプトをAIに伝えることから始めよう。複雑な指示は後にして、核となる要素をシンプルに記述する。
  • 初期プロンプト(英語):portrait of a cyborg with human and mechanical features
  • 結果と課題: これにより基本的なサイボーグのイメージは生成されましたが、どこかありきたりで、深みや個性に欠けるものでした。もっと見る人の心に響くような、リアリティのある作品にしたいと考えました。

ディテールとリアリズムの追求

基本的な方向性は定まったので、次は画像の質感を高める段階です。

  • 思考(日本語): より写実的な描写を目指したい。「Stable Diffusion Art Prompt Guide」のような資料を参考に、ハイパーリアリズムを指定し、肌と機械部分の質感のディテールを要求してみよう。
  • プロンプト改善 1(英語):hyper-realistic portrait of a cyborg, blending human skin with mechanical parts, detailed textures
  • 結果と課題: 機械部分のディテールは確かに向上しました。しかし、その代償として人間らしさが薄れ、冷たい、硬質な印象が強くなりすぎてしまいました。人間的な温かみや感情が感じられないのは、意図するところではありません。

背景へのこだわり:下関の風景を取り入れる

ここで、作品に独自性を与えるために、個人的な要素を加えてみることにしました。

  • 思考(日本語): 私が住む下関の風景、特に海辺と工業地帯が混在する独特の景色を背景に取り入れたらどうだろうか。サイボーグというモチーフと、どこか物悲しい工業的な風景は親和性があるかもしれない。「moody lighting(雰囲気のある照明)」で情景を演出してみよう。
  • プロンプト改善 2(英語):hyper-realistic portrait of a cyborg with human skin and metallic limbs, standing by a seaside with industrial elements in the background, moody lighting
  • 結果と課題: アイデアは良かったのですが、要素を詰め込みすぎたためか、構図が散漫になってしまいました。サイボーグと背景がうまく調和せず、全体としてまとまりのない印象です。

スタイルの導入:サイバーパンクの世界観へ

構図の課題を解決し、より統一感のある雰囲気を出すために、特定のアートスタイルを指定することにしました。

  • 思考(日本語)サイバーパンクのスタイルなら、ネオンの光や未来的な雰囲気が、サイボーグと工業的な背景をうまく繋ぎ合わせてくれるかもしれない。顔の半分を人間、半分を機械にし、目に光彩を加えることで、よりサイバーパンクらしさを強調しよう。背景の要素も少し具体的に「industrial cranes(工業用クレーン)」としてみる。
  • プロンプト改善 3(英語):cyberpunk portrait of a cyborg, half-human face with glowing mechanical eyes, standing on a rocky shore with industrial cranes in the distance, neon lighting, highly detailed
  • 結果と課題: 色彩は豊かになり、サイバーパンクらしい雰囲気は出てきました。しかし、まだ人間的な深み、特に感情の表現が足りないと感じました。技術的な描写だけでなく、キャラクターの内面が垣間見えるような作品にしたいのです。

ネガティブプロンプトの活用と細部の調整

ここで、AIアート生成において非常に重要なテクニックであるネガティブプロンプトの活用を思い立ちました。「How to Write an Awesome Stable Diffusion Prompt」のようなガイドで学んだ知識を実践に移します。

  • 思考(日本語): 生成してほしくない要素を指定することで、画像の品質を向上させよう。「blurry(ぼやけた)」、「low detail(低ディテール)」、「cartoonish(アニメ調)」といったネガティブプロンプトを追加する。さらに、サイボーグに「contemplative expression(物思いにふける表情)」を与え、人間性を付与する。背景もより具体的に「Shimonoseki’s rocky shore(下関の岩場の海岸)」とし、「fishing boats(漁船)」も追加して地域性を出す。画像の**解像度(1024×1024 pixels)**も指定して、高画質化を図る。
  • プロンプト改善 4(英語):cyberpunk portrait of a cyborg, half-human face with glowing mechanical eyes, contemplative expression, standing on Shimonoseki’s rocky shore with fishing boats and cranes, neon reflections on water, highly detailed, 1024x1024 pixels, negative prompt: blurry, low detail, cartoonish
  • 結果と課題: ネガティブプロンプトの効果は絶大で、画像の品質が格段に向上しました。表情も加わり、キャラクターに個性が生まれました。しかし、全体的なインパクトや「下関らしさ」がもう少し強調されても良いかもしれません。

最終調整:個人のインスピレーションを込めて

最後の仕上げです。これまでの試行錯誤を踏まえ、さらにディテールを詰め、個人的なインスピレーションを反映させます。

  • 思考(日本語)リアリティをもう一段階引き上げるために「hyper-realistic」を再度追加し、サイバーパンクと組み合わせる。機械部分を「intricate mechanical implants(複雑な機械的インプラント)」とし、目の色を「glowing blue eyes(青く輝く目)」に具体化。時間帯を「dusk(夕暮れ時)」に設定し、「dramatic lighting(劇的な照明)」で光と影を強調する。水面のネオン反射も維持。ネガティブプロンプトには念のため「extra limbs(余分な手足)」も加えておく。これで、私が写真撮影やサイクリングで日々目にしている下関の風景と、AIアートの技術的可能性が融合するはずだ。
  • 最終プロンプト(英語):hyper-realistic cyberpunk portrait of a cyborg, half-human face with intricate mechanical implants and glowing blue eyes, contemplative expression, standing on Shimonoseki’s rocky shore at dusk, fishing boats and industrial cranes in the background, neon reflections on water, dramatic lighting, highly detailed, 1536x1536 pixels, negative prompt: blurry, low detail, cartoonish, extra limbs
  • 結果: この最終プロンプトによって生成されたのが、この記事の冒頭を飾るアイキャッチ画像です。個性的感情豊か、かつ下関の風景が印象的に反映された、納得のいくサイボーグのポートレートが完成しました。

プロンプト進化の軌跡:箇条書きまとめ

ここまでのプロンプト改善のステップをまとめると、以下のようになります。

  • ステップ1: 基本コンセプト提示 portrait of a cyborg…
    • 課題: 深みと個性の不足
  • ステップ2: リアリズムとディテール追求 hyper-realistic portrait… detailed textures
    • 課題: 人間らしさの希薄化
  • ステップ3: 背景(下関、工業要素)導入 …standing by a seaside with industrial elements… moody lighting
    • 課題: 構図の散漫さ、調和の欠如
  • ステップ4: サイバーパンクスタイル適用 cyberpunk portrait… neon lighting
    • 課題: 人間的な深みの不足
  • ステップ5: ネガティブプロンプトと詳細(表情、地名、解像度)追加 …contemplative expression, standing on Shimonoseki’s rocky shore… negative prompt: blurry, low detail, cartoonish
    • 課題: 風景の個性がやや弱い
  • ステップ6 (最終): リアリズム再強化、詳細描写(複雑なインプラント、青い目、夕暮れ、劇的な光)、ネガティブプロンプト強化 hyper-realistic cyberpunk portrait… intricate mechanical implants… glowing blue eyes… at dusk… dramatic lighting… negative prompt: …, extra limbs
    • 完成: 狙い通りの個性的で高品質な画像生成

まとめ:プロンプトエンジニアリングの重要性と創造の可能性

この一連のプロセスは、プロンプトエンジニアリングがいかにAIアートの質を左右するかを明確に示しています。単純なアイデアから出発し、スタイル、設定、感情表現、そして不要な要素を排除するネガティブプロンプトといった詳細な調整を段階的に加えていくことで、最終的に個性的で深みのある作品を生み出すことができました。

特に、下関の風景という個人的な要素をAIアートに組み込む試みは、テクノロジーと自身の経験を結びつける興味深い体験でした。AIアートは、単に指示に従うだけでなく、私たちの創造性や個人的な物語を反映させるための強力な媒体となり得ます。

この記事が、皆さんがAIアートの創造的な可能性を探求し、ご自身のインスピレーションを形にするための一助となれば幸いです。ぜひ、さまざまなプロンプトを試し、あなただけの表現を見つけてみてください。

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この記事を書いた人

山口県下関市に住む30歳のフリーランスデザイナーです。地元の大学でグラフィックデザインを学び、東京で広告業界での経験を積んだ後、2020年に下関に戻りました。趣味は写真撮影とサイクリングで、自身のスマートホーム実践記録を中心に、IoT技術の基本から最新トレンドまで、地域に根ざした視点から、下関市ならではの生活課題へのテクノロジー活用事例も紹介していきます。

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