AIイラスト生成の舞台裏:Stable Diffusionで幻想的な「ステンドグラスの教会」を描くプロンプト作成術

ステンドグラスの教会
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AIイラスト生成の舞台裏:Stable Diffusionで幻想的な「ステンドグラスの教会」を描くプロンプト作成術

この記事の冒頭を飾る、光溢れる荘厳なステンドグラスの教会。この一枚のAIイラストは、画像生成AI「Stable Diffusion」を用いて創り出されました。今回は、この幻想的なアートがどのようにして生まれたのか、その思考プロセスとプロンプト構築の道のりを詳しくご紹介します。AIイラスト作成に挑戦したい方、プロンプトのヒントを探している方の参考になれば幸いです。

■ テーマ設定:なぜ「ステンドグラスの教会」なのか?

今回「ステンドグラスの教会」というテーマを選んだのは、その圧倒的な美しさと神秘的な雰囲気に魅了されたからです。色とりどりの光が差し込み、静謐な空間を満たす光景は、多くの人を惹きつけます。この光と色彩の饗宴をStable Diffusionでどこまで表現できるか、挑戦したいと考えました。特に、ゴシック様式の教会の荘厳さと、ステンドグラスの繊細な描写の両立を目指すことにしました。

■ インスピレーションの源泉:リサーチから見えた方向性

具体的なイメージを固めるため、まずは情報収集から始めました。

  • キーワード検索: 「church interior with stained glass windows」や「Gothic cathedrals with stained glass」といったキーワードで画像検索を行い、ノートルダム大聖堂などに代表される実際の教会の写真やアート作品を多数参照しました。
    • 発見: 高い天井、尖頭アーチ、リブヴォールトといったゴシック建築特有の構造、そして床や壁に映り込むステンドグラス越しの光の色彩表現が、強く印象に残りました。
  • プロンプト事例調査: 「stable diffusion prompt for church interior with stained glass windows」などで検索し、他のクリエイターがどのようなプロンプトで類似のテーマに取り組んでいるかを調査しました。
    • 発見: 「majestic Gothic church interior」「sunlight filtering through beautiful stained glass」「serene atmosphere」のように、様式、光の状態、雰囲気を指定する言葉が効果的であることがわかりました。

これらのリサーチから、**「ゴシック様式」「詳細なステンドグラス」「差し込む光」「静謐な雰囲気」**をプロンプトの核とすることを決定しました。

■ プロンプト構築の思考プロセス(日本語から英語へ)

頭の中にあるイメージを、Stable Diffusionが理解できる「言葉=プロンプト」に変換していく作業は、まさに試行錯誤の連続です。以下のように段階的に要素を組み立てていきました。

  1. 核となるアイデア(日本語思考):
    • 「ゴシック様式の大きな教会の内部が見たい」
    • 「ステンドグラスがたくさんあって、そこから光が差し込んでいる感じ」
    • 「床や壁にカラフルな光が映っている様子」
    • 「写真はリアルな感じで」
  2. 要素の具体化と英語への置き換え(初期プロンプト試案):
    • 様式: ゴシック様式 (Gothic church)
    • 場所: 教会の内部 (interior)
    • 主要素: ステンドグラスの窓 (stained glass windows)、高いアーチ (high, arched)
    • 光: 太陽光が差し込む (sunlight streaming through)、床や壁に映る色彩 (colorful display on the stone floor and walls)
    • 視点/構図: 入り口から奥を見る視点 (viewed from the entrance looking down the central aisle)
    • 雰囲気: 静かで神聖 (serene and holy atmosphere)
    • 画風: 写真のようにリアル (photorealistic image)
  3. 初期英語プロンプトの組み立て:
    これらの要素を組み合わせ、最初の英語プロンプトを作成しました。A photorealistic image of the interior of a large Gothic church, with high, arched, stained glass windows, intricate patterns, and sunlight streaming through, creating a colorful display on the stone floor and walls.(日本語訳:大きなゴシック様式の教会の内部の写実的な画像。高くアーチ状のステンドグラス窓があり、複雑な模様を持ち、太陽光が差し込み、石の床と壁にカラフルな表示を作り出している。)

■ 試行錯誤とプロンプトの洗練

最初のプロンプトで生成した画像は、方向性としては良かったものの、いくつかの課題が見えました。

  • 課題: ステンドグラスの描写がやや曖昧で、期待したほどの細かさがない。光の効果も、もっと劇的にしたい。教会の歴史を感じさせる雰囲気も加えたい。

これらの課題を解決するため、プロンプトにさらに具体的な描写を加えていくことにしました。

  • 改善点(日本語思考):
    • ステンドグラスには「聖書の場面」を描いてほしい。
    • 奥には「バラ窓」が欲しい。十字架が描かれているとなお良い。
    • 光は「午後の遅い時間」の「暖かい光」で、もっと「眩しいくらいの色」を床や壁に落としてほしい。
    • 教会は「中世」の「保存状態の良い」ものにしたい。
    • 「誰もいない」静かな感じを強調したい。
  • 英語プロンプトへの反映:
    • intricate Biblical scenes in vibrant colors (鮮やかな色彩で描かれた複雑な聖書の場面)を窓に追加。
    • magnificent rose window with a depiction of the Crucifixion (十字架の描写がある壮大なバラ窓)を奥に追加。
    • Late afternoon sunlight pours through (午後の遅い時間の太陽光が降り注ぐ)と光の時間を指定。
    • casting a dazzling array of colors (眩しいほどの色彩の配列を投げかける)と光の効果を強調。
    • large, medieval Gothic church (大きな中世のゴシック様式の教会)と時代背景を追加。
    • well-preserved (保存状態の良い)を追加。
    • The church is empty (教会は空っぽである)を追加。
    • 視点を明確にするため viewed from the entrance looking down the central aisle (入り口から中央通路を見下ろす視点)を維持。
    • 通路のディテールとして antique wooden pews (アンティークな木製の長椅子)、床の質感として ancient, polished stone (古く磨かれた石)を追加。

■ 完成した最終プロンプトと生成されたアイキャッチ画像

これらの試行錯誤を経て、最終的に以下の英語プロンプトにたどり着きました。

A photorealistic image of the interior of a large, well-preserved medieval Gothic church, viewed from the entrance looking down the central aisle. The church features high, arched stained glass windows on both sides, each window showcasing intricate Biblical scenes in vibrant colors depicted in the glass. At the far end, there is a magnificent rose window with a depiction of the Crucifixion. Late afternoon sunlight pours through all the windows, casting a dazzling array of colors on the stone floor and walls. The aisle is lined with antique wooden pews, and the floor is made of ancient, polished stone. The church is empty, bathed in a serene and holy atmosphere.

(日本語訳:保存状態の良い大きな中世ゴシック様式の教会の内部の写実的な画像。入り口から中央通路を見下ろす視点。教会は両側に高くアーチ状のステンドグラス窓があり、各窓には鮮やかな色彩で描かれた複雑な聖書の場面がガラスに描かれている。一番奥には十字架の描写がある壮大なバラ窓がある。午後の遅い時間の太陽光がすべての窓から降り注ぎ、石の床と壁に眩いばかりの色彩を投げかけている。通路にはアンティークな木製の長椅子が並び、床は古く磨かれた石でできている。教会は空っぽで、静かで神聖な雰囲気に包まれている。)

このプロンプトによって生成されたのが、まさにこの記事のアイキャッチ画像です。ゴシック様式の高い天井とアーチ、両側に並ぶ詳細なステンドグラス、奥に見えるバラ窓、そして床に落ちる鮮やかな光のパターン。狙い通りの荘厳さ、色彩の豊かさ、そして静謐な雰囲気が表現されていると思います。

■ まとめ:AIイラスト生成は「言葉」で描くアート

Stable Diffusionを用いたAIイラスト生成は、単にキーワードを並べるだけでなく、具体的なイメージを詳細な「言葉」に落とし込み、試行錯誤を通じて洗練させていくプロセスが非常に重要です。

  • 具体的な描写: 「どのような」場所で、「何が」「どのように」配置され、「どんな光」が当たり、「どんな雰囲気」なのかを明確に言葉にする。
  • リサーチと学習: 実際の写真やアート、他の人のプロンプトからヒントを得る。
  • 試行錯誤: 生成された画像を見て、イメージと違う部分を特定し、プロンプトを修正していく。

このプロセスは、まるで言葉で絵を描くような、創造的で奥深い作業です。あなたもぜひ、Stable Diffusionを使って、頭の中にあるイメージを形にしてみてください。きっと、想像を超えるアートとの出会いが待っていますよ!

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この記事を書いた人

山口県下関市に住む30歳のフリーランスデザイナーです。地元の大学でグラフィックデザインを学び、東京で広告業界での経験を積んだ後、2020年に下関に戻りました。趣味は写真撮影とサイクリングで、自身のスマートホーム実践記録を中心に、IoT技術の基本から最新トレンドまで、地域に根ざした視点から、下関市ならではの生活課題へのテクノロジー活用事例も紹介していきます。

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