AIイラストで未来のスポーツを描く!Stable Diffusionプロンプト作成の思考プロセス全公開

未来のスポーツ
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AIイラストで未来のスポーツを描く!Stable Diffusionプロンプト作成の思考プロセス全公開

AIが生成したこのダイナミックな未来のスポーツシーン、かっこいいと思いませんか? これはAIアート生成ツール「Stable Diffusion」を使って私が作成したイラストです。

この記事では、この一枚のAIイラストがどのようにして生まれたのか、アイデアの種から始まり、試行錯誤を重ねて具体的な英語プロンプトを完成させるまでの思考プロセスを、ステップ・バイ・ステップで詳しくご紹介します。AIイラスト作成、特にプロンプト作りに関心のある方はぜひ参考にしてください。

Step 1: アイデアの源泉を探る – どんな「未来のスポーツ」を描きたいか?

まず考えたのは、「未来のスポーツ」というテーマをどう具体化するかです。漠然としたテーマから魅力的なビジュアルを生み出すためには、インスピレーションの源泉を探すことが欠かせません。

  • 思考プロセス(日本語):
    未来のスポーツといえば、ハイテク装備、斬新なアリーナ、現代にはないルールなどが考えられます。ゼログラビティ(無重力)環境やVR、ロボット技術の活用も面白いかもしれません。より具体的なイメージを得るために、「futuristic sports concepts」といったキーワードでウェブ検索を行い、以下のようなアイデアに触れました。
    • 映画『ローラーボール』のような、激しい接触のある近未来型ローラースケート競技。
    • 映画『デス・レース2000』のような、過激な要素を含むカーレース。
    • ドローンレースやライトセーバー対決など、現実で生まれつつある新しいスポーツ。
    • オンラインコミュニティ(Redditなど)で議論されている、磁気ブーツで壁を走る、特殊なスーツと送風機で空中を舞うといった斬新なアイデア。
    これらの情報から、視覚的にインパクトがあり、ユニークなスポーツの情景をAIで描きたいと考えました。ただし、暴力的な描写は避け、未来的なテクノロジーやスピード感を前面に出す方向で進めることにしました。

Step 2: コンセプトの絞り込みと最初のプロンプト – ジェットパックで空中戦!

多様なアイデアの中から、特に視覚的な面白さを追求できるコンセプトとして「空中でのスポーツ」に注目しました。

  • 思考プロセス(日本語):
    最初はゼログラビティ空間でのスポーツ(磁気ブーツで壁を走る、浮遊しながらボールを奪い合うなど)を想像しましたが、絵にしたときのダイナミズムを表現するのが難しいかもしれないと感じました。そこで、よりアクティブな動きを描けそうなジェットパックを使った空中競技に焦点を当てることに。ジェットパックは未来感の象徴であり、プレイヤーが空を自在に飛び回る様子は、AIイラストの題材として非常に魅力的です。具体的なスポーツとして「Skyball」という架空の競技を考案。プレイヤーがジェットパックで空中を飛び回り、光るボールを浮遊するリング(ゴール)に入れるゲーム、というイメージです。これを基に、最初のシンプルな英語プロンプトを作成しました。
  • 初期プロンプト(英語):futuristic sport with high-tech equipment and arena (これが出発点でしたが、あまりにも漠然としすぎているため、もう少し具体化しました)Players wearing jetpacks playing a game with a glowing ball in a futuristic arena with floating hoops(日本語訳:ジェットパックを装着したプレイヤーたちが、浮遊するフープのある未来的なアリーナで、光るボールを使ったゲームをしている)

Step 3: ディテールを追加して具体性を高める – 情景を鮮明にする試み

最初のプロンプトでは、まだ多くの要素が曖昧です。生成されるAIイラストが、ありきたりなものにならないよう、具体的なディテールを追加していくことにしました。

  • 思考プロセス(日本語):
    「ジェットパック」「光るボール」「未来的なアリーナ」だけでは、AIがどのようなビジュアルを生成するか予測しづらい側面があります。そこで、各要素の色や素材感、アリーナの環境などを具体的に指定することにしました。
    • ユニフォーム: 洗練されたメタリックシルバー (sleek, metallic silver)
    • ジェットパック: 青い光を放つエンジン (jetpacks that have blue glowing engines)
    • ボール: 光り輝く緑色 (luminous green ball)
    • アリーナ: 透明なドームで覆われ、背景にはネオン輝く夜の未来都市が見える (transparent dome with neon-lit cityscape at night)
    • フープ: エネルギーフィールドでできた浮遊するリング (floating hoops made of energy fields)
    これらの詳細を追加することで、よりユニークで明確なシーンをAIに伝えられると考えました。
  • 改良プロンプト Ver.1(英語):Players wearing sleek, metallic uniforms with jetpacks that have blue glowing engines, playing with a luminous green ball in a high-tech arena that has multiple floating hoops made of energy fields. The arena is surrounded by a transparent dome, and outside is a futuristic cityscape with tall buildings and neon lights. The scene is at night, with the city lights providing illumination.(日本語訳:滑らかなメタリックなユニフォームを着て、青く光るエンジンを持つジェットパックを装着したプレイヤーたちが、エネルギーフィールドでできた複数の浮遊するフープがあるハイテクなアリーナで、光る緑のボールを使ってプレイしている。アリーナは透明なドームで囲まれ、外には高いビルとネオンライトのある未来的な街並みが広がっている。シーンは夜で、街の明かりが照らしている。)

Step 4: アートスタイルを指定して世界観を統一 – Syd Mead風の未来像

ディテールは増えましたが、全体の「雰囲気」を決定づける要素がまだ足りません。そこで、特定のアーティストのスタイルを指定し、AIイラストに一貫した世界観を与えることにしました。

  • 思考プロセス(日本語):
    以前のプロジェクトではファンタジーアートの巨匠、Greg Rutkowski氏のスタイルを参考にしましたが、今回の「未来のスポーツ」というテーマには、よりSF的で洗練されたデザインが合うと考えました。そこで思い浮かんだのが、映画『ブレードランナー』や『トロン』のデザインで知られるシド・ミード(Syd Mead)氏です。彼の描く未来的でインダストリアルなデザインは、今回のテーマにぴったりだと判断しました。プロンプトの末尾に Style: Syd Mead. を追加します。
  • 改良プロンプト Ver.2(英語):Players wearing sleek, metallic silver uniforms with jetpacks that have blue glowing engines, playing with a luminous green ball in a high-tech arena that has multiple floating hoops made of energy fields. The arena is surrounded by a transparent dome, and outside is a futuristic cityscape with tall buildings and neon lights. The scene is at night, with the city lights providing illumination. Style: Syd Mead.(日本語訳:上記Ver.1の内容に、スタイル指定「Style: Syd Mead.」が追加されたもの)

Step 5: アクションを加えて躍動感を演出 – 最終プロンプトの完成

ここまでのプロンプトでかなり具体的なシーンが描けるはずですが、プレイヤーの動きが静止画のように見えてしまう可能性を考えました。そこで、より躍動感を出すために、具体的なアクションを描写することにしました。

  • 思考プロセス(日本語):
    単に「プレイしている」という描写ではなく、具体的なアクションを加えることで、シーンに緊張感とダイナミズムが生まれます。今回は、2人のプレイヤーが空中で激しくボールを奪い合う瞬間を描くことにしました。一方がボールに向かって急降下し、もう一方がそれを阻止しようと急上昇する、という対照的な動きを取り入れます。また、全体を「ダイナミックなアクションショット (dynamic action shot)」として捉えるよう指示します。
  • 最終プロンプト(英語):Two players in sleek, metallic silver uniforms with jetpacks featuring blue-glowing engines are engaged in an intense mid-air battle for a luminous green ball. One player is diving downwards, arms outstretched to catch the ball, while the other is ascending rapidly to intercept. The arena is filled with floating hoops made of shimmering energy fields, casting multicolored light patterns. The transparent dome reveals a breathtaking view of a neon-lit futuristic cityscape at night. The entire scene is captured in a dynamic action shot. Style: Syd Mead.(日本語訳:滑らかなメタリックシルバーのユニフォームを着て、青く光るエンジンを持つジェットパックを装着した2人のプレイヤーが、光る緑のボールを巡って激しい空中戦を繰り広げている。1人のプレイヤーはボールを掴むために腕を伸ばして急降下し、もう1人は阻止しようと急速に上昇している。アリーナは、多色の光のパターンを投げかける、きらめくエネルギーフィールドでできた浮遊するフープで満たされている。透明なドームからは、息をのむような夜のネオン輝く未来都市の景色が見える。シーン全体がダイナミックなアクションショットで捉えられている。スタイル:シド・ミード。)

完成したAIイラストとプロンプト作成のコツ

そして、この最終プロンプトを使ってStable Diffusionで生成したのが、この記事の冒頭でお見せしたアイキャッチ画像です。

銀色のユニフォームに身を包んだ選手たちが、青い光を放つジェットパックで空中を舞い、緑に輝くボールを巡って競り合う。背景にはエネルギーフィールドのフープと、ドーム越しのきらびやかな未来都市。シド・ミード風のスタイル指定により、洗練された未来感とメカニカルな質感が表現され、アクションの描写によって躍動感あふれる一枚になりました。

今回の試行錯誤を通じて、効果的なAIイラストプロンプトを作成するための重要なポイントが見えてきました。

  • 具体性は力なり:
    • 色、形、素材感、光、背景など、要素を具体的に記述するほど、AIはあなたの意図に近い画像を生成しやすくなります。「未来的な」といった抽象的な言葉だけでなく、「メタリックシルバーのユニフォーム」「青く光るエンジン」のように詳細を描き込みましょう。
  • 試行錯誤は宝探し:
    • 最初から完璧なプロンプトができることは稀です。生成された画像を見ながら、少しずつ言葉を追加・修正していくプロセスが非常に重要です。「思ったのと違う」と感じたら、どこが違うのかを分析し、プロンプトを調整してみましょう。
  • スタイルが世界観を創る:
    • Style: [アーティスト名] や in the style of [作風] といったスタイル指定は、イラスト全体の雰囲気を大きく左右します。描きたいテーマに合わせて、様々なアーティストやアートスタイル(例:anime style, cyberpunk, photorealistic)を試してみるのがおすすめです。
  • 動きで魅せる:
    • 静的な描写だけでなく、「急降下する (diving downwards)」「激しい空中戦 (intense mid-air battle)」「ダイナミックなアクションショット (dynamic action shot)」といった動きや構図を示す言葉を入れることで、イラストに躍動感と視覚的な面白さを加えられます。

最後に

AIイラストのプロンプト作成は、まるで言葉で絵を描くような、創造的で奥深い作業です。Stable Diffusionのようなツールを使えば、誰でも頭の中のイメージを形にすることができます。

今回の私の試行錯誤のプロセスが、皆さんのAIアート制作のヒントになれば幸いです。ぜひあなただけのアイデアで、素晴らしいAIイラストを生み出してみてください。きっと面白い発見があるはずです。

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この記事を書いた人

山口県下関市に住む30歳のフリーランスデザイナーです。地元の大学でグラフィックデザインを学び、東京で広告業界での経験を積んだ後、2020年に下関に戻りました。趣味は写真撮影とサイクリングで、自身のスマートホーム実践記録を中心に、IoT技術の基本から最新トレンドまで、地域に根ざした視点から、下関市ならではの生活課題へのテクノロジー活用事例も紹介していきます。

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