【AIアート探求】「夢の中の城」を創造する旅 – プロンプトエンジニアリングの実践

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はじめに:夢から生まれた発想

みなさん、こんにちは。今日は「夢の中の城」というテーマでAIアートを生成する過程を共有したいと思います。ある夜、私は不思議な城が登場する夢を見ました。現実では存在し得ない、重力を無視した塔や階段、空中に浮かぶ部屋など、シュールでありながら美しい建築物でした。

目覚めた後も、その夢の中の城の印象が強く残っていて、「これをAIアートとして再現できないだろうか」というアイデアが浮かびました。そこで今回は、夢に出てきたような幻想的な城を具現化するため、AIアート生成ツールを使ってどのようにプロンプトを発展させていったか、その試行錯誤の過程をお見せします。

初めてのプロンプト:シンプルな出発点

まず、基本的なプロンプトから始めることにしました。

プロンプト1: "fantasy castle in a dreamlike setting with surreal elements"
(和訳:幻想的な城、夢のような設定、シュールな要素を含む)

この最初のプロンプトでは、城の基本的なイメージを伝えることができましたが、生成された画像はやや一般的で、私が夢で見たような個性的な要素が足りませんでした。色合いも単調で、私が想像していた幻想的な雰囲気には少し足りない印象でした。

プロンプトの発展:細部への注目

そこで、より具体的な要素を追加してみることにしました。

プロンプト2: "surreal fantasy castle with floating towers and impossible architecture, dreamscape"
(和訳:浮遊する塔と不可能な建築を持つシュールなファンタジーの城、夢の風景)

このプロンプトによって、より私のビジョンに近い画像が生成されました。浮かぶ塔の表現が出てきましたが、まだ「夢の中」という雰囲気を十分に捉えられていないと感じました。光の演出や色彩感が足りないようです。

色彩と光の追加:感情的な要素の導入

夢の中の印象的な要素として、色彩と光の効果を追加することにしました。

プロンプト3: "ethereal dream castle with floating architecture, bathed in purple and golden light, surreal landscape"
(和訳:浮遊する建築の幻想的な夢の城、紫と金色の光に包まれ、シュールな風景)

光の効果を追加したことで、画像に幻想的な雰囲気が出てきました。紫と金色の組み合わせは、私が夢で感じたような神秘的な雰囲気を醸し出していましたが、建築の細部がまだ私のイメージとは少し異なっていました。

建築様式の具体化:独自性の追求

城の建築様式をより具体的に指定してみることにしました。

プロンプト4: "fantasy castle with twisted spires and impossible staircases, floating in clouds, dream-like atmosphere with glowing windows"
(和訳:ねじれた尖塔と不可能な階段のあるファンタジーの城、雲の中に浮かび、窓が輝く夢のような雰囲気)

ねじれた尖塔や不可能な階段という要素を追加したことで、より特徴的な城のイメージが生成されるようになりました。窓の輝きも、夜の城の神秘的な雰囲気を強調してくれています。しかし、周囲の環境や城全体の配置にまだ改善の余地がありました。

画風と詳細度の指定:芸術的要素の追加

次に、画風や詳細度についても指定を加えてみました。

プロンプト5: "surreal dream castle with twisted architecture, M.C. Escher style impossible structures, glowing in moonlight, highly detailed fantasy art"
(和訳:ねじれた建築のシュールな夢の城、M.C.エッシャー風の不可能な構造、月明かりに輝く、高詳細なファンタジーアート)

M.C.エッシャーのような不可能な空間構造を持つアーティストの名前を参照することで、AIはより具体的な様式を理解して反映させることができました。高詳細という指定も、画像の質感を向上させるのに役立ちました。

アートスタイルの融合:独自の美学を求めて

さらに、複数のアートスタイルを組み合わせることを試みました。

プロンプト6: "dreamscape castle with surreal architecture, blend of gothic and fantasy elements, floating in twilight sky, glowing with ethereal light, Salvador Dali meets fantasy art"
(和訳:シュールな建築の夢の風景の城、ゴシックとファンタジー要素の融合、夕暮れの空に浮かび、幻想的な光に輝く、サルバドール・ダリとファンタジーアートの出会い)

ゴシック建築とファンタジー要素を組み合わせ、さらにサルバドール・ダリのシュールレアリズムを参照することで、より芸術的で独創的な画像が生成されるようになりました。夕暮れの空という時間帯の指定も、独特の色彩効果を生み出してくれました。

感情的要素の強化:物語性の注入

最後に、感情的な要素や物語性を加えることで、さらに深みのある画像を目指しました。

プロンプト7: "ancient dream castle of forgotten memories, impossible architecture defying gravity, spiral staircases leading to nowhere, glowing windows like stars, misty atmosphere with purple and golden light, magical and mysterious, highly detailed fantasy artwork"
(和訳:忘れられた記憶の古代の夢の城、重力を無視した不可能な建築、どこにも続かないらせん階段、星のように輝く窓、紫と金色の光の霧の雰囲気、魔法的で神秘的、高詳細なファンタジーアートワーク)

「忘れられた記憶」という物語的な要素を加えたことで、城に歴史と意味を与えることができました。また、「らせん階段がどこにも続かない」というような具体的な詳細を加えることで、シュールさと神秘性がさらに強調されました。

最終プロンプト:すべての要素の融合

これまでの試行錯誤を経て、最終的に以下のプロンプトに到達しました。

プロンプト(最終版): "A dreamlike fantasy castle with surreal architecture, floating in the clouds with multiple twisted towers, impossible staircases, and glowing windows. The scene has warm golden light with purple and blue accents in a mystical atmosphere. Highly detailed, fantasy art style."
(和訳:シュールな建築の夢のようなファンタジーの城、複数のねじれた塔、不可能な階段、輝く窓を持ち、雲の中に浮かんでいる。暖かい金色の光と神秘的な雰囲気の中で紫と青のアクセントがある情景。高詳細、ファンタジーアートスタイル。)

この最終プロンプトでは、これまでに試した様々な要素の中から最も効果的だったものを組み合わせ、バランスを取りました。建築的特徴、光と色彩、雰囲気、画風に関する指示をすべて含めることで、私が夢で見た城の印象に最も近いAIアートを生成することができました。

創作過程から学んだこと

今回のAIアート創作では、以下のポイントが特に重要だと実感しました:

  1. 具体的な視覚要素の指定:「ねじれた塔」「不可能な階段」など具体的な視覚要素を指定することで、AIはより明確なイメージを生成できます。
  2. 色彩と光の効果:「暖かい金色の光」「紫と青のアクセント」など、色彩や光の効果を具体的に指定することで、画像の雰囲気を大きく変えることができます。
  3. 芸術的参照の活用:エッシャーやダリなど、特定のアーティストやアートスタイルを参照することで、AIはその様式を学習し、応用することができます。
  4. バランスの重要性:あまりに多くの要素を詰め込みすぎると画像が混乱する可能性があります。最終的には最も重要な要素に絞り込むことが、明確で印象的な画像を得るコツです。
  5. 感情や物語性の導入:単なる視覚的要素だけでなく、「忘れられた記憶」のような感情的・物語的要素を加えることで、画像により深みと意味を持たせることができます。

まとめ:夢からアートへの創造的旅

「夢の中の城」というテーマから始まった今回の創作過程は、AIアートを通じて自分の内なるイメージを具現化する旅でした。単純なプロンプトから始め、様々な要素を追加・調整しながら、最終的に私が夢で見た印象に近い、独自性のある城のイメージを作り出すことができました。

AIアート生成は単なる技術的なプロセスではなく、自分のビジョンを明確にし、それを言葉で表現するという創造的な作業です。プロンプトを洗練させていく過程は、自分自身のイメージを掘り下げ、言語化するトレーニングにもなります。

みなさんも、日常の中で浮かんだイメージや夢の中の光景を、AIアートを通じて形にしてみてはいかがでしょうか。最初は単純なプロンプトからでも、少しずつ試行錯誤を重ねることで、思わぬ発見や創造的な喜びが待っているかもしれません。

次回は、さらに別のアイデアを元にしたAIアート創作の旅をお届けする予定です。お楽しみに!

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この記事を書いた人

山口県下関市に住む30歳のフリーランスデザイナーです。地元の大学でグラフィックデザインを学び、東京で広告業界での経験を積んだ後、2020年に下関に戻りました。趣味は写真撮影とサイクリングで、自身のスマートホーム実践記録を中心に、IoT技術の基本から最新トレンドまで、地域に根ざした視点から、下関市ならではの生活課題へのテクノロジー活用事例も紹介していきます。

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